ゲームブック史

 
…というほどご大層なものじゃないんですが。
ドロシー!さんの記事→http://parahaza.seesaa.net/category/350860.html
に触発されて、ちょっと書きたくなったというか(笑
適当に作った簡易年表です。抜けも多いのであてになりません。
 
1984
 9月 「出発!スターへの道」 国内初の本格ゲームブック…なのかな。
 12月 「火吹き山の魔法使い」 全てはここから始まった。
 ※ゲームブック風の読み物はそれ以前にもありましたが、ゲームブックの歴史を語るのは普通ここからでしょう。これ以前はほとんど資料ないし。
  ドラゴンボール連載開始。
 
1985年
 1月 「大統領を捜せ!」 西東社(笑)
 7月 「魔法使いの丘」 ソーサリー! 始動。
    「暗黒城の魔術師」 ドラゴンファンタジーも始動!
 8月 「君はエスパー」 スーパー頭脳集団の暗躍始まる
 9月 「2002年帝国の逆襲」(笑) 実は国産初の続き物ゲームブックだった! 今気づいた!!!
 10月 「王たちの冠」 ソーサリー! 完結。しかしこの時期は刊行ペース早すぎ。
    「ゼビウス」 創元国産もの第一弾
    「さらば愛しきハリウッド」 ルパン三世〜。作者は無責任艦長タイラー吉岡平だ!
 12月 「パックス砦の囚人」 富士見書房参入〜。
    「ファイティング・ファンタジー」 初めてプレイしたTRPGであります。
 ※有象無象が出ては消えて行きました。西東社参入ハヤスwwwww
  西東社ウォー・ゲームとか、さすがにこの時代の作品だなぁ。
 
1986年
 1月 「一緒にアクシア 大遺産を探せ!」 光文社も早い時期から出してましたね。
 3月 「王様と乞食」 スーパー頭脳集団活動終了! 8ヶ月で17冊も出してました。信じられません。しかし見切るの早いですね。
 6月 「ゲームブックマガジン」創刊 ウォーロックの前身。文庫サイズのミニコミ誌です。
    「ドラゴンスレイヤー」 MIA〜。新書版だったのが良くなかったんだろうか。
 7月 「悪魔に魅せられし者」 ドルアーガ来ました。
    「アステカ」 JICC参入。新書版。
 8月 「暗闇からの脱出」 ローン・ウルフ! やったことない! 邦訳は未完だから手を出さないで正解だったのかも…。
    「剣と魔法と竜の国」 なんか豪華な本だった。でかい。
 10月 「ファラオの呪い」 モーリス&ジョンソンのシリーズ。このシリーズ結構好きです。
 12月 「ウォーロック」創刊 
    「ラルハスの戦い」 早川参入
 ※ラインナップも出揃い、いよいよもwりwあwがwっwてwきwたwぜwwwwwwwwwwww
  ドラゴンクエスト発売
 
1987年
 4月 「魔王の地下要塞」 アドベンチャラーズ・インの豪華版がついてました。ゲームブック大賞の発表とか。魔王の地下要塞自体は・・・うーん。創元凋落の兆しが。
    「悪魔族の叛乱」 もうひとつのブレナンのシリーズ。シリアス路線だったのが失敗か。
 11月 「ゾンビ塔の秘宝」 ドラゴンファンタジー完結!
 12月 「スーパー・ブラックオニキス」 鈴木直人の真骨頂。
    「トンネルズ&トロールズ」 社会思想社がついに…。
    「ペーパーアドベンチャー Vol.1」 電波新聞社のアレ。
 ※良くも悪くも区切りの年、という感じです。この時期、やたらあとがきでTRPGの売り込みが多かったような。
  なので、ゲームブックTRPGの代用品という認識の方が非常に多くて困ります。困りますとも。
  ドラゴンランス戦記刊行開始
 
1988年
 1月 「少年魔術師インディ」 双葉社もついにオリジナル路線。FC版は発売されず。
 3月 「ブラッド・ソード#1」 モーリス&ジョンソンの多人数プレイゲームブック
 6月 「紅蓮の騎士」 ゲームブックコンテスト入選作。しかし、今考えると素人を使って安く上げようとする出版社の作戦ですな(苦笑)
 ※各社色々趣向を凝らしましたが…。マニア向けと子供向けの二極化が進んでいました。が、ソーサリー! のような業界を引っ張れるキラータイトルは生まれませんでした。
  そうこうしている内に、「ロードス島戦記」発売。
  TRPG熱が一気に高まった時期であります。

1989年
 2月 「トップをねらえ!」 バンダイ参入
 7月 「ドラキュラ城の血闘」 二見最後の名作。
 ※遅すぎるバンダイの参入が何ともいえませんが。
  ダイの大冒険連載開始
 
1990年
 10月 「アドバンスト・ファイティングファンタジー
 ※書いてて悲しくなってきた。
  この時期は、図書館で借りてた。リクエストしまくってた人がいたみたいで、後期FFとかそろってました。今はもうありませんでしたorz
 
1991年
 5月 「天空要塞アーロック」 さようならFF。さらばFF。Farewell to FF.
 ※終わった。
 
1992年
 3月 「ウォーロック」休刊
 8月 「ギャランス・ハート」
 ※全てが。
 
最後に一つ、興味深い文章を挙げておきます。
出版社の編集の方があとがきを書いているというのは、ゲームブックでは非常に珍しいです。
 
第七の魔法使い(1992/6) あとがきより抜粋
・第二回創元ゲームブック・コンテストが開催されてからすでに三年あまり、このあいだにゲーム界の様相も大幅に変わりました。*1
・読者の数は徐々に減少し、刊行している出版社の数も減っています。一時はゲームブックからロールプレイング・ゲームへとシフトする傾向も見えましたが、いまではどちらも一般読者の数を減らし、固定読者に頼るようになっています。*2
・(コンテストの参加作品が)第一回には百点以上あったものが、第三回となると、なんと三十点にも満たなかったのです。この点数の少なさには、驚きとともに失望を禁じえませんでした。(中略)結局、コンテストの形式はとるものの入選作を選ぶのではなく、前二回の佳作入選と同じように、優秀作があればそのまま、ないしは改作して出版するという線でいこうという考え方に落ち着きました。*3
・実際はやっているのはクレーン・ゲームという射幸心に訴えたゲームだけ、RPGゲームブックというようなクリエイティブなゲームは、バブル時代のあぶくとともに消えてしまったのでしょうか。そんなことはないと私は考えます。ゲームブックRPGといった、こんな面白いゲームの形式がなくなるなんて、考えられません。一時の大流行はたしかにバブルだったかもしれませんが、純粋なファンのみなさんがゲームブックRPGを支持してくれているいまの状態が、本当の姿なのだろうと思います。*4
・というわけで、数はそんなに出せないでしょうが、これからもゲームブックRPGの刊行は続けていきます。期待してください。*5
 
・・・なんか暗い話になっちゃいました。
明日はもっと明るい話題で!(たぶん)

*1:入選作を三年も出せなかった時点で…orz

*2:そして、TRPGは現在でも新作が発売されていて、ゲームブックは青息吐息なのはなぜか。一番大きいのは商品単価の違い。TRPGは一冊三千円超で出せるという強みがあります。ゲームブックではそうはいきません。版型の点でもTRPGは有利です。ゲームブックはどうしても文庫という先入観がある。文庫だと最低部数が多くなり、価格も上げられない。そこがジレンマ。だから扶桑社はすごいです。

*3:婉曲な表現で、応募作品のレベルが下がったと言ってますね。

*4:そして、そのユーザー数に応じたビジネスモデルに転換できなかった時点で、ゲームブックの明暗は尽きたといえます。

*5:現実には、次のギャランス・ハートが最後でした