第13話 「意思を持った」二連発〜軽騎兵隊撃破

 
湖の岸辺にはいかだが一艘打ち上げられていた。
不自然だ。これは何かあるに違いない。
俺はいかだを漕ぎ出した。
湖の真ん中まで行くと、なれない運動のせいか汗まみれになってきた。
汗を流すために水を汲もうと身をかがめた。
すると、水面には俺の代わりに似ても似つかぬ悪魔のような顔が映っている!
このパターンは・・・「意思を持った湖」か!?
サイコキネシスは効きそうもないので、水面に向かってテレパシーを放射する。
すると、案の定意思を持った湖だった。
湖によると、やはりこの星がラピュート星だそうだ。
狂った科学者(マッドサイエンティスト)ならぬ森の科学者(ウッドサイエンティスト)が何か発明品を持っているらしいが、すでにネロ皇帝軍(と、ロックイーターという化け物)が来ているらしい! 急がなくては!
森の科学者への合言葉を教えてもらい、俺は広葉樹の森へ向かった。
 
途中、巨大なシクラメン(と言っても1メートルくらいだが)の花畑に差し掛かった。
このパターンは、やっぱり!?
このシクラメンは幻覚を作る能力があるらしく、たちまちのうちに何人もの俺の複製に取り囲まれてしまった。
気持ちが悪いので光線銃を撃ちまくるが、当然のごとく効かない。
うざったいのでテレパシーで文句を言うことにした。
毎度のことながら、意思を持ったシクラメンでした。
彼の言うことには、ネロ皇帝軍の軽騎兵隊(と、ロックイーターという化け物)が花畑を荒らしていたのでカリカリしていたらしい。
まあ、それはそれとして、俺とネロ皇帝軍の違いくらい気がついてくれよと思う。
宇宙服とローマ帝国の軍装ですよお兄さん。
ぶつぶつ言いながら、森への道を急ぐ。
 
森についたが、ゴーッと言う低い不気味な音と、パカパカ言うひづめの音が聞こえてくる。
軽騎兵隊&ロックイーターだろう。
低い音の方は、どんどんこちらに近づいてくる。
俺はその音を避け、身を隠しながら森の奥へと進んだ。
すると、前方からは軽騎兵隊のひづめの音。後ろからは不気味な低音。はさまれてしまった!
後ろに戻っても仕方ないので、前進する。
ロボット馬に乗った軽騎兵隊と相対する。光線銃や火炎銃で完全武装している。
俺は臆することなく光の剣を抜き放った!
剣先を上にして目の前にかざすと刀身は光出し、その光が軽騎兵の一団をなぎはらった。
軽騎兵の一団はその光の中であとかたもなく消えうせた。
すごい、すごいよ光の剣!
 
剣の力に惚れ惚れしながら鞘に収めると、ブナの木の上から声がした。
「それは<光の剣>ではないか。そうするとおまえは銀河霊に導かれた光の子ということか」