第二回 ざんねん! わたしの ぼうけんは ここで おわってしまった!

 
未来の英雄コナン様とは俺のことだ。
さて、酒代が払えずに追い出された俺は、魔術師・黒のモンゴーから依頼を受け、迷宮探索へと旅立った。
強力な魔剣ももらったし、意気揚々と地下へ足を踏み入れた。
 
入り口には酔っ払いの岩悪魔シックスパックがいた。大酒飲みの俺たちはすぐに意気投合し、二人で迷宮の出口を探すことにした。
 
あの有名な「ほうき拳」*1を粉砕したものの、宝箱の罠にひっかかり全裸になってしまう。
せっかく鎧そろえたのに!
 
しかしそこは怪我の功名。
別の部屋で立派な鎧を発見した俺は、あせってしまい、鎧の手前の床に仕掛けられた落とし穴に落ちてしまう!
中はものすごく深い水溜りだ! 鎧を着ていたら溺れ死んでしまっただろう。全裸でよかった。
 
だが、俺が落とし穴でもがいているうちに鎧はどこかへ消えてしまった。
 
先に進むと赤いローブを着た死の僧侶の一団と遭遇した。
岩の近くに立てば保護色で見えなくなる岩悪魔と違い、俺は隠れるのが下手だ(しかも全裸だ!)。
あっさりみつかってしまい、戦闘になる。
通路が狭いのが幸いして、二対二の戦いに持ち込めた。
強力な死の杖を振り回す邪教徒だったが、俺の正義の剣の前では単なる冒険点だ。
意気揚々と先に進む俺たち。
 
少し進むと、さっきのやつらの宝物庫があった。
扉の隙間から覗き込むと、金銀財宝、ピカピカの鎧もある! どうせ悪いことをして集めたんだろう。全部いただくぜ。
岩悪魔のやつはこんなすごいお宝の山があるのに入ろうとしない。
じゃあ、これは俺のものだ。悪く思うなよ。
扉を開ければそこにはバジリスク。俺はあっというまに物言わぬ石像と化した。
 
ざんねん! わたしの ぼうけんは ここで おわってしまった!

*1:床まで届く長い腕が特徴的なガーゴイルの一種