プロローグ

目を覚ましたら、俺はガレー船の漕ぎ手だった。
 
 
石化した俺を運び出したのは黒のモンゴーだった。
やつは、俺の失敗にひどく腹を立てていた。
こともあろうに奴隷商人に俺をたったの金貨3枚で売り飛ばしやがったのだ。
 
そんなわけで、さっきまでオールを漕がされていた。
漕がされていた、というのは目的地に到着したからだ。
そこは小さい島だった。
山の上にはいかがわしい城がそびえ立ち、その隣には闘技場らしき建物が見える。
たち漕ぎ手のうち体格の良い者が船から降ろされ、黒い鎖かたびらを着た男たちに引き渡された。
 
リーダーらしき男の説明によると、俺たちはこれから山上に見える闘技場で戦わされることになるらしい。
そして、闘技場で勝ち抜いた者は別の場所にある地下迷宮に送られると。
 
たった一人だけが。